中長期修繕計画とは
保全について
マンションの共用部分を適切に維持管理、及び居住環境の保持・安全性の確保・資産価値の維持向上を図るために、定期的・継続的に保守点検を行うとともに、適時・適切な修繕工事を行う必要があります。
資金について
そのために、長期的な修繕工事の計画を作成し、これに基づいて修繕工事を行うこと。
修繕工事に必要な費用を算出し、その修繕費用にあてるため各区分所有者が負担する積立金の額を明らかにしておくことが重要です。
性能向上について
また、長期修繕計画を建物・設備等の現状に即したものとするためには、あらかじめ、建物・設備等について修繕工事の等の履歴、経年に伴う劣化状況や時代による生活様式の変化・性能向上(グレードアップ)等の実態を把握し、そして、それを計画の作成又は、見直しに反映させることが必要です。
修繕周期
まず、中長期修繕計画を作成する前に、建築物各部位の修繕周期を確認し、把握しておくことが必要になります。
ここでは、各部位の修繕周期の目安を下図に表していますので参考にして下さい。
劣化が進むと、どうなるの?
各部位の劣化は、様々な危険があります!!
万一、建物の劣化が進行しすぎてしまった場合、様々な危険をもたらします。
- 劣化した外壁からのコンクリートやタイルの落下事故
- 電気設備機器の腐食による漏水・漏電事故
- 屋上やバルコニーの防水層の劣化による居住区画等への漏水事故
等が発生する恐れがあります。
また、劣化が進んでしまったマンションの資産価値が低下してしまうことは避けられません。
劣化写真
992px~
~992px
中長期修繕計画の内容は?
まず、中長期修繕計画を作成する場合には、大きく分けて以下の項目を含んでおくことが大切です。
- 修繕計画の計画期間( ほぼ全ての工事項目を含むには期間を30 年とする)
- 修繕工事項目及び修繕周期
- この期間における修繕費用( 個別負担額と全体概算額)・収支計画
中長期修繕計画の修繕工事項目
ここでは、中長期修繕計画の作成に必要な修繕工事項目についての設定例を表にします。
また、他にも、社会的背景や生活様式の変化等に応じ、マンションの性能(バリアフリー、省エネ、防犯等)を向上させるグレードアップ工事の項目についても設定することをお勧めします。
このためにも、あらかじめ建物の現況を把握するために事前に調査・診断をしておくことが必要不可欠です。
中長期修繕計画作成手順
中長期修繕計画は、概ね下図の様な手順で作成します。
実際の作成にあたり重要なことは、あくまでも計画作成の主体は管理組合なのですから、管理組合の意見や要望が反映された計画となるようにすることが大事です。
また、意見や要望の反映のためにも、専門的知識を有する者に意見を求めて計画を適切な物にしていくよう配慮しましょう。